基板のシルク印刷をベクタードローソフトで作る

しろくま胡瓜
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基板のシルク印刷ですが、CAD上で全部作ろうとすると時間がかかるし大変なので、ベクタードローソフトで凝ったものを作成するアイデアの共有です。

実際にできるもの

こんな感じで基板のシルクをかっこよくすることができます。かっこいい以外のメリットはあまりないですが、個人ブログだしこのようなTipsがあっても良いかなと個人的に思っています。

やり方

今回はKiCadとIllustratorで解説します。特にこのツールを選んだ理由というものはないので、InkscapeやFigmaなどの無料ツールでも十分だと思います。どちらかというとアイデアの共有と解釈してください。

1. 基板を設計する

基板の原点をキリのいい数値、または中央に合わせておくと、後々のレイアウト作成が楽になります。Silkscreenレイヤにある文字は不要なものを削除してください。

2. スクリーンショットをドローソフトに貼り付ける

アートボード(編集する画像サイズ)を基板の縦横比と同じに設定します。今回の基板は50mm × 41mmのため、アートボードのサイズも510px × 410px に設定しました。(必ずしも10倍である必要性はありません。)

そのアートボードに、基板のスクリーンショットを貼り付けます。基板の枠がぴったり合うようにアートボードに貼り付けないと、後の工程でフットプリントとのずれが発生するので注意してください。

3. お絵描きする

白黒で好きなだけお絵描きをしてください!!白部分がシルクとなって印刷されます。今回は文字のみのシンプルなものですが、記号やイラストも可能です。ランドや端子の部分にシルクデータが被っていても、基板CADが被らないようにガーバーを吐き出してくれるので、気にする必要はないと思います。

私はよく

  • GNDを白ベタして明示
  • デバッグ用LEDの役割を明示
  • TX/RXの向きを矢印で記入

をやりがちです。この辺は好みやセンスに依存します。今回はフォントにSF Monoを採用しました。

🎨 白背景 + 黒文字(抜き)の組み合わせをするときは、シルク印刷のにじみの影響を軽減するために、太めのフォントを選ぶことをお勧めします。

4. 黒背景化 → 書き出し

スクリーンショットはもう不要なので、非表示または削除して、代わりに黒背景を配置します。

画像を書き出す際は、基板1mmに対して大体100px以上の解像度を確保できるようにします。今回は基板幅50mmに対し、画像幅5000pxの解像度で書き出しました。(これくらいの解像度を確保しないと、小さい文字が潰れます。)

5. フットプリントとして取り込み

ここからはKiCadの操作になります。Eagle / Autodesk Fusionだとビットマップを取り込めるプラグインが存在するので、そちらを使用してください。

ホーム画面からイメージコンバータを起動します。

  1. 元の画像をロードから先ほどの画像をロードします。
  2. 出力サイズを基板のサイズにします。(高さ/幅の比率を固定にチェックを入れてください。)
  3. モノクロ閾値をネガに設定します。
  4. 図形用のPCBレイヤーを表面シルクスクリーンに設定します。基板の裏面のシルクは、一旦この設定だ書き出した後に、PCBエディタ上でフリップしてください。
  5. 出力フォーマットをフットプリントに設定します。
  6. クリップボードにエクスポートします。

PCBエディタに戻り、ペーストします。位置調整は手動です。最初の

基板の原点をキリのいい数値、または中央に合わせておくと、後々のレイアウト作成が楽になります。

の理由は、これの位置調整が楽になるためです。


作例

画像はスライダーで切り替えることができます。

終わりに

基板なんで、ちょっと無骨なデザインなぐらいが似合うんじゃないかなと思います。みなさんもかっこいい基板作ってみてください!

しろくま胡瓜


  

しろくま胡瓜

日本のまんなからへんでロボット作ったり旅したりしてる白熊です。吠えたり噛みついたりしないから仲良くしてね。

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