シリコーンを綺麗に成型するTips

しろくま胡瓜
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何回か試してやっとまともにシリコーンを液体から成型できるようになったので、備忘録として手順を残しておこうと思います。

完成するもの

こんなシリコーンの造形品を作ることができます。気泡がほぼ入らないようにするための手順の確立にだいぶ時間をかけました。

必要なもの

  • 型取り用シリコーン
  • プラスチックカップ
  • 真空おひつ
  • 任意のスプーン・ヘラ

使った型取り用シリコーンはこれです。Amazonとかで調べるとすぐ出ると思います。

1. 取り分けて混合する

秤で測ってA剤とB剤を混合します。作りたい造形物の1.5倍から2倍ほど用意するのが成型しやすくて良いと思います。この混合については購入した型取り用シリコーンの取り扱い説明書を参照してください。

かき混ぜる時は、容器の隅にある液剤もよく混ざるように、しっかり混ぜます。ねるねるねるね。

液剤を入れるカップは透明なものが良いと思います。(液剤の中にどれだけ泡が発生しているかを確認しやすいから)

2. 脱泡

今回はこちらの真空おひつを脱泡に使いました。2000円ほどで通販で購入できます。ちゃんとした計測はしていませんが、0.3気圧くらいまでは減圧できるようです。

使い方は簡単で、先ほど混合した液剤のカップを中に入れて、ハンドルをシュコシュコします。千手観音ではないので、作業をしながらセルフで作業の様子の写真を撮ることができませんでした。代わりにこの記事のヘッダーでパンダくんがやっています。

減圧を始めるとすぐに内部の泡が表面に出てきます。この状態で15分ほど放置すると、泡がほぼ消えます。完全に消えるまでは30分ほどかかりますが、ここまでやると硬化が始まって粘度が非常に高くなってしまいます。次の充填の工程が非常にやりにくくなるので、多少泡が残っていても15分程度経ったら割り切ります。(次の工程で第二脱泡をするのであまり気にしなくていいです。)

3. 充填

まず型を作ります。3Dプリンタ等で造形してもいいですが、自己潤滑性のあるPOMを切削で作るのが個人的におすすめです。POMだと硬化した後に剥がしやすいのと、あとは単純に加工時間の短さ(削るだけなので30分ほど)がメリットだと思います。

今回充填にはシリンジを用いました。こちらも通販で50本2000円ほどなので安く買えます。かなり力が必要ですが、容器の底にシリンジの先を当てるようにして(=外部の空気が入らないようにして)一気に吸い込みます。

かなり力が必要ですが、一気に引くことでシリンジの中が減圧され、ここでも脱泡を行うことができます。

できるだけ気泡が入らないようにゆっくりと型に充填します。型の底にシリンジの先をあてて下から敷き詰める感覚でやると上手く行きやすいです。

もしここで細かな泡が入ってしまったら、ピンセットでツンツンすると取り除ける場合があります。深いところにある泡はかなり難しいです。ツンツンしすぎると逆に悪化することもあるので程々にしましょう。

あとは蓋をして一晩待てば完成です。剥がすときは木製爪楊枝などの傷つけないものを使うと良いでしょう。

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しろくま胡瓜

日本のまんなからへんでロボット作ったり旅したりしてる白熊です。吠えたり噛みついたりしないから仲良くしてね。

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