Root41のLi-Po運用

Note 2022/05/06:
これは前ブログからの移行記事です。一部表現や文体の調整を行った箇所がありますがご了承ください。

概要

Root41のLi-Poバッテリー(以下Li-Po)の運用についてです。ごく当たり前のことしか書いてないと思いますが、一年半ぐらいLi-Po運用して膨らんだ個体や異常が起きた個体がなく、特に性能の低下もみられないのでうまく扱えている方だとは(僕の中で勝手に)思っています。

バッテリーと充電器

使ってるLi-Po

FULLYMAX 2S 7.4V 1300mAh 20C 335.5Wh/L

重量が軽いくせにいい感じの出力があって、コスパもよく扱いやすいのでおすすめです。2Sなので電圧はそんなに高くないですが、ロボットを速くするには電圧を上げればいいってもんじゃありません。適切にモーターを選定すれば7.4Vでも十分すぎる出力が得られます。

使ってる充電器

Hitec X2 Vertical Compact

比較のために隣に坊ねずみをおいておきましたが、とにかくコンパクトなのが特徴です。やったことないですがLi-Fe、Li-Ion、Li-HV、Ni-MH、Ni-Cd、PBなどいろんな種類も充電できるっぽいので持ってて損はないと思います。公式だと10k円コースですが、Amaz○nで買うと7.5k円とかだったりするので色々探して最安値を探すことをお勧めします。

ただ「バッテリーの充電」というリスクを伴う行為を行う機械なので絶対に信用できる安全な店から購入してください。もう一度言います、信用できる店から購入してください!並行輸入品とかノーブランドのやつに手を出すのは絶対にやめましょう。

保管

このように、セーフティーバッグに入れた上でさらに頑丈な金属ケースに入れて保管しています。

セーフティーバッグはイーグル模型さんのやつを使用しています。正直高いです。ただAmaz○nとかで安いノーブランドのやつはあんまり難燃性能がなく、普通にライターで炙ったら燃えるみたいな情報を聞いたことがあるので、ここはお金をかけたほうがいいと思います。厚手で作りも非常にしっかりしているのでいい製品です。

金属ケースはTRUSCOのT350を使用しています。がっちりとロックできるので万が一内部で爆発しても外に燃え広がる危険性はかなり低いと思います。これを持っておくとLi-Poや充電器、Li-Poチェッカーなども一緒に収納できるので持ち運びに便利です。

保管の際はLi-Poの1セル当たりの電圧は3.7-3.9Vの範囲になるようにしています。これはRoot41のチーム内運用規則で定めてあります。間違っても満充電や使い切った状態で保管のような自殺行為はしてはいけません。バッテリーの電圧は温度などで多少変動するので、それにより過充電になったり過放電になったりする危険性があるためです。

大会前日に満充電にして備えたい気持ちはわかりますが、潔く諦めて当日の朝早起きして充電するようにしましょう。(一晩くらいならまぁ大丈夫かもしれませんが僕はしたくないですね…。)

充電

バッテリーの充電は1C充電が良いとされています。バケツに勢いよく水をJavaJava入れていったら周りに飛び散ってしまうのと同じで、電流を一気に流すとバッテリー自体にも負担をかけるためです。そもそもロボカップジュニアの日本大会ではルールに1C充電までという制限があるので、これに関する異論はないと思います。

ちなみに先程のバッテリーは1300mAhなので1C=1.3Aになりますね。自分たちは若干の余裕を見て1.2Aで充電しています。

また、Li-Poの満充電とは1セル当たり4.2Vであることを意味します。デフォルトの設定だと4.2Vになったら充電が終わるようになっていますが、これも僕たちは余裕を持たせるために4.18Vまでの充電に留めています。

充電時はセーフティーバッグに入れて充電しています。これに関しては

  • 異変にすぐに気づくため&放熱のためにセーフティーバッグに入れないほうがいい
  • 万が一発火した時に備えてセーフティーバッグに入れたほうがいい

という二つの意見があり、どちらも正しいのが現状です。自分たちは

  • 正しい充電ではバッテリーの発熱がほぼ感じられなかったこと
  • 充電器が異常を検知した場合充電を中断してくれること
  • 剥き出しだと、異変に気づけてもその後の対処が難しいこと

の二つの理由からセーフティーバッグに入れるという選択をしました。

ロボットを動かす

ロボットに実際に取り付けて動かす時には電圧計で電圧を目視で確認しながら動かしています。7.4Vを下回らないようにするために、余裕を持って7.6Vぐらいになったら交換しています。言うまでもないと思いますがヒューズの搭載、すぐに押せる位置の電源スイッチは必須です。あと、衝撃がバッテリーに加わったりしないようにがっちりと面で固定は必須です。

廃棄

買ったバッテリーの中で一個だけ運用半年目ぐらいでコネクタの接触不良が頻発したもの(多分初期不良だと思われ…?)がありました。コネクタの不良なので多分やろうと思えばすぐに治せますが、コネクタの交換や改造はルール違反となる&怖いから単純にやりたくないので廃棄とすることにしました。

塩水につけるとかつけないとか色々ありますが、僕は自治体の環境課に直接持ち込んで処分してもらうという方法を取りました。これについては受け付けてくれる自治体と受け付けてくれない自治体があると思うので直接確認をとってみてください。

ID管理

バッテリーをいつ購入したか・どこから購入したかなどの情報にすぐにアクセスできるようにするために、バッテリーにID番号を割り振って区別がつくようにしました。また、バッテリーにID番号とQRコードが記載されたラベルを貼り、そのQRコードを読み込むことでバッテリーの情報にアクセスできるようにしてあります。

使用開始時の状態の写真も撮ってあり、少しでも膨らみなどが感じられたらすぐに確認できるようにしてあります。多分このID・QRコード管理は僕たちのチームしかやってない管理方法だと思うのでせっかくなので載せておきます。

規則の制定

ここまで色々と書いてきましたが、安全なLi-Po管理にはこれらを厳守する必要があります。ただ口頭確認するだけなどのあやふやな状態で運用するのはよくないのでチーム内でこれらの注意点をまとめてチーム内運用規則として定め、その上でLi-Poを運用しています。

まとめ

  • 運用前にちゃんとした信頼できる充電器やバッテリ、その他色々なものを用意する
  • あらかじめしっかりと運用規則を定めておく
  • 当たり前のことを当たり前にちゃんと守る

以上僕たちのLi-Po運用でした。これを読んで面倒だからやりたくないと思ったらまだLi-Poに手を出すべきではないと思います。Li-Poの扱い方に関しては色々意見があると思うので、もしあればコメント欄やリプなどに書き込んで知見を共有してくれると嬉しいです。

ではおやすみ世界。

Comments